中古マンションなどの区分所有建物は、他の所有者と共同で管理していく必要があるため、管理規約など一戸建住宅にはない、専有部分の用途・その他利用の制限に関する規約の定めや、廊下やエレベーターなどの共用部分に関する規約の定めなどについての説明事項があります。
一戸建てと中古マンションの重要事項説明書の説明事項の違いを知っておいて損はないよね♪
中古マンションなどの区分所有建物に関する事項
【 1、建物の敷地に関する権利の種類、内容 】
物件名称や敷地面積、所有権なのか借地権なのかが記載・説明されます。
【 2、 規約共用部分 】
集会所や管理室、倉庫など管理規約によって共有部分としている時はその旨が記載・説明されます。
【 3、占有部分の利用制限があるときはその内容 】
占有部分とは購入者が所有するお部屋です。ペットが飼えないとか、事務所としての利用はできないなどの利用に関しての取り決めがある場合、記載・説明されます。
【 4、建物または敷地の一部を特定の者のみに使用を許す規約の定め 】
1階の所有者のみ専用庭の使用を可能とする場合や、抽選で当たった人だけが駐車場を使用できるなど、特定の人にのみ建物または敷地の一部が利用できる場合、説明・記載されます。
【 5、管理費等が特定の者のみ減免される既定の定めがある場合はその旨 】
売れ残りのある分譲マンションで、管理費および修繕積立金を分譲会社は負担しない、などの規約がある場合は記載・説明されます。この減免された費用分は区分所有者全員で負担することになります。
【 6、 計画修繕積立金の内容、既積立金額 】
修繕積立金の毎月の額、すでに積み立てられている額、滞納があればその額とその支払(精算)方法が記載・説明されます。購入物件の部屋に滞納がある場合は買主様が支払うことになるケースもあるので注意が必要です。
【 7、 管理費の額 】
管理費の毎月の額、滞納があればその額とその支払(精算)方法が記載、説明されます。修繕積立金と同様、購入物件の部屋に滞納がある場合は買主様が支払うことになるケースがあるので注意しましょう。
【 8、 管理受託者の名称、住所 】
管理形態(全面委託管理、一部委託管理、自主管理)、委託先の名称、住所、連絡先などが記載・説明されます。
【 9、 維持修繕の実施状況の記録がある場合はその内容 】
外壁塗装や大規模修繕工事など過去の修繕内容などの記録が記載、説明されます。
中古住宅のお取引
一戸建て・マンション問わず中古住宅については、契約の目的が達せられないような不適合が問題になることもありますので、過去の改装や改築・修繕やリフォームなどの履歴を確認するようにしましょう。
ただ、これらの売主にしか分からない事項については、不動産仲介会社が全て把握するには限界があり、多くの不動産会社では売主の協力の基、告知書(付帯設備及び物件状況確認書)を提出してもらい、それに基づく物件調査を行い、重要事項説明に反映させています。
重要事項説明書は重要な判断材料
重要事項説明書は「買うのか・買わないのか」の最終判断のための重要な事項が記載されている書面です。
また、不動産が引き渡された後に「聞いた・聞いていない」「言った・言わない」など、買主と売主、その不動産を販売、または仲介した不動産会社が争いになることを防ぐためのものでもあります。
重要事項説明書に署名・捺印すれば、その内容全てに同意して不動産を購入したことになります。理解できずに不安を残したまま署名・捺印することがないようしっかり内容を確認しましょう。
【 その他の注意点 】
重要事項説明書は、宅地建物取引業法の第35条に則り交付されますが、買主(購入者)への交付のみが義務付けられています。
しかし、売主もその内容を確認しておくことが、後々のトラブルを防ぐためにも大切です。
万が一、売主が正しい情報を不動産会社に告げなかったことにより、買主とトラブルが発生したときには、売主が損害賠償を請求される可能性もありますので、
※売主自身が提供した情報にモレはないか
※売主自身が提供した情報が重要事項説明書に正しく記載されているか
などよく確認しましょう。
また、不動産仲介会社が関わらない個人間売買などで不動産を購入した場合は、そもそも重要事項説明書が存在しないためより注意が必要です。
【 不動産の取引は決して怖いものではありません 】
正確な情報をきちんと知って、判断すれば不動産の取引は決して怖いものではありません。
重要事項説明をきちんと聞いて、分からないときはその都度、担当スタッフの宅地建物取引士に納得するまで聞くようにしてください。そうすることでトラブルの危険性は大幅に回避できるはずです。
重要事項説明は宅建士より口頭で行われますが、場合によっては60分~90分など長時間に及びます。
説明を受ける買主も時間の余裕を持って臨みましょう。
POINT
「あたなの担当スタッフは宅地建物取引士ですか?」
以上4回に分けて重要事項説明書について書きました。
重要事項説明書だけでなく、不動産に関してわからないことや不安になることがあれば、いつでもご相談・お問い合わせください。