団体信用生命保険の加入が借り入れの条件となっている民間金融機関の住宅ローンの場合、健康状態が悪いと団信加入ができず、結果として住宅ローンの借り入れができない恐れがあります。

FUKURO'S VOICEえっ?!団体信用生命保険って住宅ローンに勝手に付いてるもんやと思ってた!

そうではありません。
団信に加入できる人かどうかの引受生命保険会社による審査があるんです。

団体信用生命保険申込時に、現在の健康状態や持病・病歴・手術歴などを記入する「告知書」を提出しますが、申込時の病気の種類や症状、服用しているお薬の種類、経過によっては、団信に加入することができない場合があります。

一般の生命保険よりも告知項目が少ないので、比較的加入しやすいともいえますが、健康状態が悪いと判断されれば団信に加入することができません。※審査基準は引受生命保険会社によります。

FUKURO'S VOICEじゃぁ健康状態に不安があると住宅ローンを借りられへん、、、つまり家を買われへんってことなん?

「フク郎くん、そうとは限りません。」

従来の団体信用生命保険に加入できなかった人には「ワイド団信」と呼ばれる持病・既往歴がある方のための団信もあるし、フラット35は団信不加入でも利用することができます。

ワイド団信

引受範囲を広げた審査基準の保険なので、高血圧などの病気を抱えていたとしても加入できる可能性が高い団体信用生命保険です。

ただ、加入条件が緩い分金利が上乗せされることに注意が必要です。

フラット35

フラット35では団体信用生命保険を外すことが可能なので、団信加入で住宅ローンを借り入れすることができます。
言い方を変えれば団信に加入できなくても住宅ローンが組めるということです。※適用金利が0.2%下がります。

ただ、ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態になったとしても、住宅ローンの残額は0円にはなりません。残されたご家族が残額を返済していくことになるので、ご家族にとってはリスクです。
なので、フラット35を団信加入で借り入れされる場合は、万が一の事態が起こってもご家族を守れるだけの準備をしっかりしておく必要があると言えます。

「フク郎くん、マイホーム購入のために住宅ローンを借り入れするには、年収や勤続年数だけでなく健康であることも条件になるということを覚えておいてくださいね。」

事前審査の段階で団信の審査を並行または先行してもらうことが可能です。
健康に少しでも不安があるなら、なるべく早めにご相談ください。

この記事を書いたのは…

イラスト

富岡千賀子
Tomioka Chikako

不動産会社としてお客様の家探しを手伝う傍ら、「大阪府宅地建物取引業協会」が定期的に区役所などで開催する不動産無料相談会の相談員として多くの人の悩みにアドバイスしている。宅地建物取引士ほか、管理業務主任者、公認不動産コンサルティングマスター、賃貸経営管理士など多くの資格を持つ。
T・Mプランニング株式会社代表。