お家探しを始めると、普段は気にも留めなかったポストに投函されたチラシにも目を通すようになり、不動産屋さんの店頭に掲示されている物件チラシに足を留めたりするようになります。

物件チラシにはたくさんの情報が記載されていますが、大事な情報は以外と小さな文字で書かれている「物件概要」だったりします。

不動産屋さんから貰った物件チラシや、SUUMOなどの不動産検索サイトを閲覧すると、物件価格・広さ・駅からの距離以外にもいろんな情報が載っていますね。
きちんと物件を選ぶためには何を確認すればよいのでしょうか。

重要な情報源で見方にはコツがある、そんな不動産物件チラシのチェックポイントを紹介します。

不動産屋さんのチラシ構成は3部作

① 図面
② 物件概要
③ 情報提供した不動産会社

【 ① 図面 】

敷地の形や間取りが載るこの図面の部分が、現地写真なども載っているので一番先に目が行きますよね。

でも、この不動産チラシに載る図面は、正確な実測測量図や地籍測量図ではなく、簡略化された図であることが多く、例えば図面では整形地のように見えても実際の現地は間口と奥行きの比率が図のイメージと大きく異なるケースなんかもあるので注意です。
※現地写真(画像)
原則、実際に販売するものでなければ掲載できないことになっています。
ただし、建物が未完成(建築工事の完了前)などの場合は、実際に販売する建物と同じものであれば、他の物件の写真をその旨を明らかにして使用できることになっています。

【 ② 物件概要 】

物件の価格や所在地、建ぺい率や容積率、道路の種類や用途地域など、建築をする際の規制や制限が細かく記載されています。
これらの規制や制限は、リスクとして物件の価格に影響されることが多く、特に物件価格が相場よりも安い場合は、内容をよく確認しなければなりません。

種目

「新築一戸建て」・「中古マンション」・「土地」・「店舗付き住宅」など物件の種目が記載されます。
※新築・中古の別
不動産広告では、建築後1年未満、かつ未入居(誰も住んだことのない状態)を「新築」と表示します。それ以外の物件は「中古」と表示されます。

価格

表示されている価格が総額です。
(売主が業者の場合は建物にかかる消費税込みの価格が表示されています)
※土地に消費税は課税されません。

所在地(地番)

物件の所在地は、新築分譲住宅の場合は地番まで表示されますが、中古住宅の場合は、地番は省略できるため記載されていないことが多い印象です。
※地番は登記記録(登記簿)に表示された地番のことで、一般的に使われる住居表示(郵便が届く住所)の番号とは異なる場合があるので注意です。

交通状況(駅等までの距離)

徒歩所要時間は1分間で80mを移動する前提で計算されています。信号待ちや踏み切り、坂道、ハイヒールでの徒歩などは考慮されていません。
また、駅の改札口からではなく、物件にいちばん近い駅の出入り口が基準となるので、ホームまでは更に時間がかかることもあるので注意です。

 ・敷地(土地)面積

㎡単位表示で、「坪」単位での表示がない場合もあります。
他に私道負担がないか・セットバックが必要であればその面積なども記載されます。
※実測面積か公簿面積(登記簿面積)なのかが記載されます。公募面積の場合は実際の面積と差異がある場合があります。また、敷地に接する道路の幅が4m以下の場合、道路側の敷地の一部には建物や塀が建てられないので、その部分を除いた建築有効面積を知っておく必要があります。

建物面積

延べ床面積(㎡単位)が表示されます。地下室や車庫を含む場合は、その旨とその面積を表示することになっています。マンションのバルコニーや屋根裏収納(グルニエ)などは、面積には入りません。
※建物面積は原則として、壁の中心から測った壁芯面積で表示されますが、登記記録(登記簿)上の面積は、壁の内側(室内側)から測った内法(うちのり)面積で表示されます。

間取り

間取りは、3LDKや4LDKなどの表示がよく使われていますね。
数字は居室の数、Lはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンを表しています。
建築基準法上、居室には採光や換気のための一定の開口が必要と定められていますので、それを満たさない部屋は納戸(N)やサービスルーム(S)と表示されています。
また、居室の広さを示す1畳は、1.62㎡以上で換算すると定められています。

道路の種類、接道状況、接道方向、幅員

道路の種類
一口に「道路」と言っても様々な種類があるので、どのような種類の道路なのかを知っておかなくてはなりません。「公道か、私道か」「42条2項道路か、位置指定道路か」など、その道路の種類が記載されています。道路の種類によっては、建物を建築する際の制約やリスクがそれぞれ異なります。

接道状況
土地(敷地)と道路がどのように・どれだけ接しているかの表示です。
建築基準法では、基本的には幅員4m以上の道路に敷地が2m以上接していないと、住宅が建てられません。

土地権利

所有権か借地権かといった土地に対する権利関係が表示されます。借地権定期借地権と表示されているものは、条件を十分に確認しましょう。

用途地域

用途地域は住居系・商業系・工業系に分かれますが、それぞれ建築できる建物の種類や大きさに制限があります。この用途地域ごとに建ぺい率・容積率の制限も定められています。

建ぺい率、容積率

建ぺい率:土地面積に対する建築面積の割合
容積率:土地面積に対する建物延べ床面積の割合
いずれもセットバック部分は土地面積に含まれないので注意です。

設備

ここで言う設備はライフラインのことです。
電気・ガス・上下水道に関する整備内容が記載されています。敷地に接する道路に本管などがきているか、ということなので、敷地内に上下水道管などが引き込まれているかどうかは別途確認が必要です。
敷地に引き込みされていない場合は、別途費用がかかる可能性があります。
また、電気・ガス・上下水道の表記がない場合は、引き込むための費用も発生する可能性があるので要確認です。

現況

土地取引の場合は「更地」もしくは「古家有り」または「更地渡し」などと表記されます。特に建て替えを検討する場合は、解体費用は誰が負担するのかの確認も必要ですね。

備考

法令上の制限や日当たり、傾斜地かどうかなどが記載されます。
「告知事項」がある場合はここに記載されていることが多いので、必ず目を通しましょう。

これが「物件概要」の部分です。たくさんの情報が含まれていますね。

FUKURO'S VOICE僕が今まで重視して見ていたのは物件価格と間取図だけだった、、、チェックするポイントって沢山あるな

【 ③ 情報提供した不動産会社 】

不動産会社にとって、チラシは物件を魅力的に伝えるためのツールなので「①図面」の部分に多くのスペースが使われているのが一目瞭然ですが、図面の下の方に、物件情報を提供した不動産会社の会社名・住所・電話番号などの問い合わせ先、免許番号、取引態様、広告有効期限などが記載されています。
SUUMOなどの検索サイトにも「掲載会社」が必ず載っています。

POINT
ここに記載されているのは「情報を提供した不動産仲介会社」であって「資料を作成した不動産会社」とは限りません。

「売主から売却の依頼を受けた不動産会社」が物件チラシの基となる資料を作成し、その資料を基に各不動産仲介会社が自社のフレームなどで物件チラシを作成したり、SUUMOなどの不動産検索サイトに掲載しています。

不動産会社がチラシやインターネットを利用して広告活動を行う時には、消費者保護を目的としたルール【記載してOKなこと・記載してはNGなこと】が細かく定められています。

➡不動産広告のルールについてはこちら

物件チラシに記載される内容や、確認すべき点をお伝えしましたが、チラシだけで物件の良し悪しを判断するのは危険です。
具体的に不動産購入に向けて検討をする場合には、まずは不動産のプロ(信頼できる不動産会社や担当スタッフ)に相談しましょう。

この記事を書いたのは…

イラスト

富岡千賀子
Tomioka Chikako

不動産会社としてお客様の家探しを手伝う傍ら、「大阪府宅地建物取引業協会」が定期的に区役所などで開催する不動産無料相談会の相談員として多くの人の悩みにアドバイスしている。宅地建物取引士ほか、管理業務主任者、公認不動産コンサルティングマスター、賃貸経営管理士など多くの資格を持つ。
T・Mプランニング株式会社代表。